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史上最強の失敗作!?醸造家が絶望した奇跡のカルト。 ポデーレ・レ・ボンチエ・トンダーレ2011

うぇるかむ!
今朝方既に更新しておりますが、どーしてもコレは早急にやらなければならないと思うイタリアワインがありまして・・・・・・

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ポデーレ・レ・ボンチエ・トンダーレ2011
なおマグナムボトル版です。

ラベル・ストーリー(最大10pt)
♥♥♥(個人的には+♥)
左目の黒はまんま切り抜きになっており、可愛らしいラベルとなっています。シンプルなそれも日本らしくない西洋ライクな顔・・・なんですが、なんでか泣いてます。
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裏ラベルとかはないので、テクニカルの部分をもっと近づけておきます・・・・・・なお、この情報あんまーり役にタチませんっていうか日本語が入っているのを注目。

作り手はジョヴァンナ・モルガンティ女史が作るキャンティ・クラシコの南端に位置するワイナリです。
インポーターが元祖自然派ヴィナイオータさんだけに、小規模生産の自然派的趣向とピシャージュも自分で出来るように専用に小さい女性でも使えるモノを独自に発注したりなどしてハンドクラフトめいて作っています。
つい最近、DOCG協会と喧嘩してDOCGキャンティ・クラシコをこのワイナリ名乗れなくなったんだそうですが、その発端とも言えるのが今回のワイン。
2011年、イタリアは酷暑に包まれた!(cv:千葉繁)
といった感じで、イタリア全体が異様な熱い年で、ジョヴァンナ女史は大苦戦する訳ですネ。
で、このワイナリを例年仕入れていたヴィナイオータのオオタ社長がワイナリに訪れるといつもより明らかに作業スピードが早い。
どうしてかジョヴァンナ女史に尋ねると
「あまりの酷暑で、ほぼ干しブドウ化しちゃったのが山ほどあって・・・・・・」
と青ざめます。
「酵母が大暴走したのよ・・・・・・潜在アルコール度数的に17%はあって、いつもどおりに仕込むわけにいかなくて今絞ってるの・・・こんなの初めて!ウチのワインのありかたの欠片もない!!こんなのどうやって売るっていうのよ!!!」
酷暑の為にブドウが例年より遥かに早く完熟してしまい、そのまま更にアマローネが如く干しぶどうになってしまい、キャンティ・クラシコの製法からみれば確実にアウトっていうか別物のブドウを収穫してしまったと。
一大事です。オー・ブリオンから貴腐赤ワインとか出てもなんだか失敗したって感じでしょう?そんな状況なんですが、オオタ社長はこんな感じで説いたそうな。

「どうやって売るかだって?ボトリングしてしまえば構わんのだろう?」


というわけで、ヴィナイオータが完全にその干しブドウロットを買い取る訳です。
なので、表ラベルに日本語が普通に混在しているんですネ。
彼はこう続けたんだとか。
「そもそも、君が言うレ・ボンチエ(このワイナリ)らしさってなんだね?俺達は土地、ブドウ、年の個性(世間一般ではテロワールとかくくっちゃうアレ)が突出したワインが好きなんじゃなかったのか??予定調和でいいってのか???君の娘さんだって予定調和でヤンチャしてるわけじゃないだろうに。受け入れた上で美味いのだから問題はなかろう????」
こう説き伏せたらしい。
さておき、そんな訳で泣いているラベルになっているというこのトンダーレ。こうした事例のため、今回限りになりそうです。
何だかんだ言いつつ自然派ワイナリが、自分のところらしからぬと漏らした失敗作なのですが・・・・・・

香り・味わい(最大10pt)
♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥
パーカー100点ワインみたいな味がする
自然派としてやっているワイナリとしては最高の屈辱!
コーラで育った弁護士オジサンの満点ワインみたいな味です!!
・・・・・・そう、確かにサンジョベーゼないしキャンティ・クラシコらしさは0のワイン。なのですが、アマローネないしカリフォルニアのカルト筋並み(それこそシュレイダーは超えてハーランとか辺り)のパワフルさを持ちつつ、独特のサンジョベーゼらしいイタリアンな個性が出ているワインとなっています。
つまり、そういう自然が云々キャンティ云々みたいな事を無視すれば最高峰のパワフルワインです。
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色は透けないレッド。赤さは結構あるのですが、黒ワインとかが如く透けません。
香りからして甘さが如実に感じられ、黒糖と果実のミックス。
黒糖感が非常に大きいのですが、同時に紫の花の印象があってどれもがダイナミクスにあふれています。
花の要素を拾ったとしても、それも濃厚なのでどー頑張ってもせいぜい「プーリアのプリミティーボ?」と言えたらスゴイってぐらい濃い。
味わいも超パワフル!アマローネ製法をわざわざやったのかと勘違いするくらい!!
甘味が口にいれて即激しく感じられ、陰干しを使っているかのようなサトウキビと干しレーズンの果実感。
紫果実と赤果実のタッチ、微妙にそこにカットインする旨味系のカツオダシっぽさ、スミレなどなどの紫の花の香り・・・・・・それらがトコトンまで濃厚にたたみかけてきます。
な☆の☆に☆!
異様に飲みやすい!ここがパーカーポイント100点みたいという所以です。
あくまでもそれらが自然に作られた産物だからなのか、むちゃくちゃ濃いワインであるし、アフターも相当長いにもかかわらずガシガシと呑めてしまうという。
要素ひとつひとつは濃いのに、それらがクドさまでは感じずに、また甘味が非常に上等に仕上げられ、どことなくイタリアンな香りがほとばしるため、17%近い(けど表記上15%にわざとしてあるというテクニカル馬鹿泣かせな)アルコール度数にも関わらず「もう満足かな」というよりも「続きが気になる」「ずっと浸っていたい」と思わされます。
皆さんパーカー100点(アドヴォケイト100点)とか聞くと、ひたすら濃いだけなのかと錯覚されるんですが、そうではなくそういうワインには濃さと同等に品位があるのです。
で、このトンダーレに私はその品位というかアーティスティックな何かを感じた。だからパーカー100点みたいなワインだと言う訳です。
品性よくイタリア随一の伝統地区であるキャンティ・クラシコの真髄として育てるつもりが、歌舞伎町の女王になってしまったワイン。

コストパフォーマンス(最大5pt)
♥♥♥♥♥
見かけたら濃いワインとして必ず購入すべし
久々に某所でおかわりをもらっちゃいましたヨこのワイン。
これが忌み子だというのがひどく残念なんですが、通常5000円でこの1.5㍑で1万円ぐらいだという価格でパーカー100点クラスが呑める限りないチャンス。
日本にヴィナイオータインポーターがあった事に感謝せねばなるまい、とカラブレッタ・ヴィナイオータ版に続いて思っちゃう訳なんですけれども、そんな訳で一部ヴィナイオータマニアなお店やお客にぐらいしか流通していないっぽく、見かけたら即買い状態になっています(現に輸入元は在庫がないそうですし、楽天では売ってません)。
これを呑んでも、まだサンジョベーゼがどうこうキャンティ・クラシコがどうこうつべこべ言うなら、ワイン呑まないほうがいいッス。
衝撃的な味だと思うので、1.5㍑を買っちゃったらなるべく多くの人と共有出来るパーティーなどで開けてくださいまし。

というわけで、ポデーレ・レ・ボンチエトンダーレ2011でした。
皮肉にも、作り手の意図と大きく反した結果、最高のワインのひとつになっています。
個人的な経験上、自然派ワインの作り手が「ちょっとミスってアルコール度数高くなった」とか「うちのワインとしては濃くなりすぎた」とか「量を作りすぎてダサいのはこっち」とか・・・ないし今回のように「失敗作でウチのワインらしさがない」とか言っているワインって高確率で美味しいなぁと思ってます。
ルーシー・マルゴーのルッチしかり、ウィリアム・ダウニーのビジネスホースしかり。
今回もそう思います。失敗と言わずに、出来れば今後も似たタッチを続けて欲しい・・・・・・のだけれど、そうはいかないのだろうなぁ。
そんな訳で、奇跡のワインなのでス。

楽天のショップはどこもアホな事に仕入れてないのでした。通常版をペタリ。


とんがっててキレッキレでパワーがあって、加爾基みたいに考えすぎなかった頃の椎名林檎級。

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