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正当なるイングルヌック!?パーカーが100点をつけ記念碑とまで言った歴史の重たさを感じる一本 レイル・ヴィンヤーズ・ジョン・ダニエル・キュベ2012

うぇるかむ!
ナパの2012年は「歴史的なグレートヴィンテージ」でありますが、その中でも「記念碑」と言われたとか言われないとかなワインが今回のモノ。

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レイル・ヴィンヤーズJ・ダニエル・キュベ2012
鳥さん!

ラベル・ストーリー(最大5pt)
♥♥♥♥♥
リアルな鳥さんが実にアメリカらしい
スタッグス・リープ系といい、なぜかリアル動物柄の多い国ですよねアメリカ。
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裏は歴史的なあれこれの記述が多いです。

所有者はロビン・レイル。彼女の父親がジョン・ダニエル・ジュニア。その名前がキュベ名ですジャックダニエルではない
もしもジョン・ダニエルの名前を聞いてどんな人かすぐにわかった人はカリフォルニアワインマニア。
彼は色々と日本でも知られるイングルヌックの3代目当主ナノデス。
モンダヴィのおっさんと同時期に精力的にこの地域を売出し、ナパの原産地名を初めて使ったり当時のプレミアム・ナパとして名をはせたりと、初代当主のニーバム・グスタフ氏並に活躍して一時代を気づいたのはジョン・ダニエルだったりします。
が、順風満帆かと思ったら金策に苦しみ、奥さんが発狂しついに本人も倒れて1964年には大手に買収されてしまうわけです。
1部分を残して・・・・・・

その後は割りと有名な「コッポラ監督のイングルヌック再興」につながります。
1975年にコッポラがイングルヌックの施設と畑を購入しニーバム・コッポラエステートを作ってルビコンを誕生させ、その後名前の商標権を巡って激しい(主にマネーゲーム)な争いの末に、

イングルヌックという名前を元イングルヌックの土地で作れるようになりましたとさ。
めでたしめでたし・・・・・・

で、終わらなかったり。
コッポラが買い戻したイングルヌック畑は全てではなく、実は娘のロビン・レイルにわたっていた部分が「ナパヌック」です。

そう、ムエックス兄貴の現ドミナスの所ね。
エノテカが書いているドミナス紹介文章にこんな一文があります
コピペ「イングルヌックは1960年代以降ワイン造りは引退しましたが、畑だけは親族に相続させており、ムエックス氏は彼らとともに、ジョイントベンチャーとしてドミナスを立ち上げたのです。」

ということで、この頃は畑の所有者はロビン・レイル女史とクリスチャン・ムエックスの共有だったという訳。

その傍らで、レイル女史はビル・ハーランとメリーヴェイル・ヴィンヤードを共同経営してたりします。
ビル・ハーランですよ・・・
なお、ハーランはこのメリーヴェイルの後にハーランを設立する、言わばハーランの修業の場だった訳です。


が、レイル女史は94年にそれら株式を殆ど売却。畑もナパヌックに殆ど渡しています。
95年に得た資金で今回のレイル・ヴィンヤーズを作るという訳。
その内容は「ナパヌックにも手放さなかったロビンレイル的最高のブロック+新たにハウエル・マウンテンに買った畑での醸造」です。
よって、「ニーバムの血筋を引いた人間による正当なるイングルヌックの後継ワイナリ」と言っていいのではないかと。
醸造家に呼ばれているのはフィリップ・メルカ。超有名人でPP100点ワイン請負人の一人でありますが、彼の経歴にドミナスがあるので、恐らくその頃にレイル女史とは知り合っている様子。
そのため著名コンサルトになってからもメルカプロデュースが続いています。
レイル女史は「次代のアンドレ・チェリチェフ(モンダヴィとJダニエルの師匠)」と彼を評して、なんかもうすげぇな歴史の教科書かよみたいな状態!

そんなレイル・ヴィンヤーズ・Jダニエルの2012年です。
これは更にパーカーポイント100点(アドヴォケイト点じゃないよ!)をとり、パーカーたんが
「今年はテンアゲヴィンテージだったナパなんだけど、その中でもこのレイルは文句なしにパーフェクトで記念碑だわ。1989年のモンローズの若い頃みてぇだからマジで、見とけよ^~」(意訳)
と興奮気味。(ちなみにモンローズ1989はPP96点)

めちゃくちゃ長くなったこの項目!まさにナパのイングルヌックをめぐる歴史の流れ着く先にあるワイナリな訳ですけれども、この長い前振りの後でガッカリしたりしたらどうしましょう・・・・・・

香り・味わい(最大10pt)
♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥
ワォ!ベラボウなワインだな!!
ナパの最上級クラレットの持つパワーがびんびんでありました。すごいなコレは、まさにパワフル。
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なお、この鳥さんの見つめる先にハーラン君がいたりします(この日はコレで満足しちゃってハーラン呑まなかったんですけどネ)

色は黒。赤紫というよりもはや黒で濃厚。
香りに強くダークベリーやブルーベリーやカシスのジャムがどっと感じられ、バニラ的な要素はあまり強くなく、凝縮した果実のパワーが強いです。
また、そうした果実パワーの割に構成が良いのか原始的だったり野生的な要素はありません。
香りだけでオシャレにジャムを飾ってるパン屋さんみたいな気分。
味わいもどっかりと強く、特にカシスとチェリーの要素がハッキリと撃ちだされています。
それからダージリン紅茶とモカコーヒーが両方出てきて多重なティーパーティーの様相に。
アフターにはミント要素が備わって、アタックの重厚さのくせに軽やかな印象を最後には持つかも。
口当たりはなめらかで、果実の移り変わりが繊細さを感じさせ大人の質感。
甘さが余韻にかかるわけですが、そこには果実と美味なソンブラコーヒーがもってる豊かな甘味。
スパイス感はあまりなく(シナモンを感じる人はいるかも)、凝縮と紫の果実の爆発的感覚がエロティックかつ凄まじい訳です。
でも、バランスがいい。ワォ。
カベルネ主体の若いワインに欲しい要素がふんだんに入り、それでいて下品すぎずに美しく、優美な気分になる・・・・・・
うん、パーフェクト。
これだけ構成要素が重たさに寄っているにもかかわらず、エレガントに〆てくるのが最高ですネ!
もはや空間をファンタジー世界の綺羅びやかな晩餐会に連れてってくれる、チケットのようです。

コストパフォーマンス(最大5pt)
♥♥♥♥♥(手に入れられれば)
金力のある人は見つけたらクレジットカードを出すこと
この2012年、凄まじいワインの割に買えると4万円アンダー。

で、まぁ、ネットでは売り切れちゃっている訳。他のパーカーポイント100点カベルネって5万はしますからネ。
豪勢なナパ、というにはバランスが良すぎる人もいるかもですが、全部の要素を持ち得た歴史ある一本として是非ご検討ください。

というわけで、レイル・ヴィンヤーズよりJ・ダニエル・キュベ2012でした。
凄まじいワインだった、という他ありません。
最高級のハイエンドクラスとはこういう事だよなぁとしみじみ感じさせられる。
低価格の濃いワインとの最大の違いはその味わいのバリエーションとアタックからアフターにまで渡る優れた高級感。
そこに長すぎる前置きができちゃうぐらいに外的要因が重なれば旨い訳ですな。
是非万人に味わっていただきたいワイン、なんですがそうはいかないのが一番の悲しみ。

評価がずっと下がる08年はネットで半額ぐらいで売ってたり。

ヴァンパイアとかメイドとか魔法使いとかみんないてパーティーする感。もはや魔法。
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