オタクDEワイン!シンクのティスティングノート

☆アキバ系ワインブログ☆

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シュロス・フォルラーツのティスティングイベントに参加してきました!~それとドイツ・リースリングの歴史感や今後を考える~

うぇるかむ!
タイトルの通り、行ってまいりました、某所で行われたシュロス・フォルラーツのティスティングイベント。

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というわけで
シュロス・フォルラーツのワインを飲みまくってきました
その中で見えてきた、ドイツワインの基板や醸造家に質問してきたアレコレなどなどを書いていければなぁと思います。

☆そもそも、シュロス・フォルラーツってなに?

A:単一畑持ちのワイナリーです。
といってしまえば早い。ですが、も少し色々ツッコンで調べてみるとそこそこおもしろい歴史が出てきます。
で、その色々を調べて行った結果更新がめっちゃ遅れましたOTL

さて。
ワイナリーとしての概要は正直なところ、現インポーターのENOTECAの内容でも見ていただくのがてっとり早いでしょう。
その方がまとまってますし。

で、ここからはそれらにあまり乗ってなく、またオールドファンにとっては当たり前気味だけど近年の・・・・・・特にドイツが人気がなくなっており復権しきれていない今のワインファンにとってはそこそこに興味深い話。
まず、私がおもったより調べてしまったのは


という地味な古書を手に入れてしまったから(この本、結構資料として良いです)。
なにせ1984年発行ですよ!フランスとドイツが2トップですよ!!
で、その中で結構出てくるんですね、シュロス・フォルラーツ。その理由は

1・登美ワイナリーと提携していたから
サントリーのホームページでもチラッとだけ書いてあるだけになっており、割りと今ではなかったことになっている感のある登美(当時の山梨ワイナリー)との提携。
当時の当主がメフィスト・フェレスの一文を挨拶に使ったなんてことが先の新書では書かれていました。
日本にとっての「フランスドイツがワイン時代」の先駆だった訳ですね。
ですが、そのうちにだんだんと離れていき提携もなかったことになんだかなっている。
その理由はまず、肝心のサントリーがフランスのラグランジュや別のドイツワイナリーに力を入れはじめたこと。
特に、ラグランジュへの投資がでかかったのではないかと。以後もサントリーはアンリオを扱い始めたりとフランス一辺倒になっていきます。
この辺りから、

2・日本にとってドイツの代表的ワイナリーだったハズだけど、サントリーが推しておいてその後イマイチ宣伝しなくなった結果、ドイツワインの牽引力を同時に失う事になってしまった。
というかなりビックな歴史にたどり着くのではないかと。
この流れ、現在のTVゲーム業界めいてもいて「RPGがゲームの主流だったのが、いつの間にかFPSやモンハンやモンスター育成RPGやアイドルに主権をとられていった」のに近いかも。
更にその結果

3・当主が経営苦で自殺
拳銃自殺を元当主がしちゃてるんですね。歴史の古い建物の維持費とかで負債抱え込んじゃったみたい。
で現在はドイツの銀行自体が維持管理までして経営を保っているという・・・・・・
結構ギリギリの中でやっている。
ドイツワイン界にとっては相当の歴史を持つワイナリになっているという訳です。
調べていくほどに、「城の持つ価値観」を考えさせられます。日本でお寺や城や軍艦などが深く愛着されているように、向こうでも向こうの城が愛されているわけです。そこがワイナリもやっていたという訳で。

こうした部分が現在のENOTECAさんではサッパリ語られていないところなのですが、サントリーの後にENOTECAと組んでいる辺りは結構やり手なのかな?とは思いますネ。

☆ヴィノ・ラムを使う意義
そんな歴史的な古さをもったワイナリーなんですけれども
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最近作っているワインはヴィノラム(ガラス栓)かスクリューキャップです。
この点については来日した醸造家のローヴァルト・ヘップ氏(以下ヘップ氏)に聞いてみたところ

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ヘップ氏:「コルクを使うのはブショネなどのリスクが多くつきまとう。高いワインを買ったのに、品質が悪かったりしたらガッカリするだろう。特にうちはリースリングしか扱っていないからヘンな臭いはつきやすい。したがって高額ワインほどヴィノラムを使うほうが好ましいぐらいだ。うちのワインはヴィノラムに概ね切り替えている。スクリューキャップのものはコストダウンのためだ。もっとも、スクリューキャップを使っているワインは長期熟成をそもそも考えていないってのもあるから、君が買ったならこの夏に呑んでしまったらいい。料理にも季節にもぴったりだよ」

という回答でした。
これちょっとすごいなと思う訳ですね。
貴腐ワインとかをフラッグシップにしているワイナリーな訳で・・・それならばヴィノラムの方がリスクが低いと使っている訳です。
歴史的ワイナリーであるにもかかわらず!
確かに、ドイツ系のワイナリーでは意外なほどスクリューキャップはみかけます(最近、当ブログで紹介したシェルター・ワイナリーとかもスクリューでした)。
新世界ではオーストラリアやニュージーランドはスクリュー先進国なんですけれども、そうした国でもフラッグシップにヴィノラムやスクリューを使わないケースもあります。
が、ここはそれやっている。
あとあとに出てきますが、03年のベーレン・アウスレーゼが出てきたんですが10年ぐらいであればとりあえず現在のヴィノラムはしっかり保全ができています。
ヴィノラムが推せるのは几帳面な科学主義的な部分も垣間見えて面白いですね。おそらく旧世界でここまでスクリューを使い出しているのってドイツぐらいではないかと。

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と私なんかはブショネワインだったりコルクがボロのワイン見るたんびに思っているので、こういう事を弩級の由緒正しきワイナリーがやっているのは感動しちゃいました。

☆ドイツ流儀のワインの飲み方
私が以前書いた赤→白という飲み方
調べてみるとブルゴーニュの生産者なんかもやってるスタイルなんですね。
これについてうかがったところヘップ氏は

「いや、まぁ甘いワインはそうするけど、辛口に関しては普通に白→赤だったりするよ」

との事。
つまり飲み方は自由ということ
ワイン教本作法はとりあえず投げ捨ててよいけれども、やっぱり旨いこと飲むには経験が必要なのかもとは思ったり。
あと、先に出た新書によるとドイツのティスティング会は「サプライズワインを最後に用意するパターンが非常に多い」らしく、ようするに最後に予定外のアウスレーゼ以上のデザートワインをサービスするのが基本なんだとか。
実際今回もありました^^ それだけでかなり元がとれるワイン会になるし印象が良いという仕組み。

☆意外とゆるい?ドイツワインの制度の意外な部分
ドイツワインといえば「ドイツ指定のQBAが95%以上でそこには6つの等級があり・・・」みたいなデータ。
ここがワイン資格をとるうえでややこしいしめんどくさい部分のひとつで、中でも一番規則正しく糖度なんかを調べている云々でお固いイメージがドイツにはつきがちです。
なんですが、シュロス・フォルラーツでは「カビネットの甘口と辛口の2つを作っている」んですね。
糖度規律や収穫タイミング規則などはあるものの、その規則の範疇であれば結構自由に出来る訳です。
ここでは辛口をカビネット、甘口をスイートカビネットとしているんですが、2つあることに関して話をうかがったところ

ヘップ氏「発酵のさせ方の違いで出来上がるモノが違うという話。スイートの方は早めにクーリングダウンすることによって糖がアルコールに変わらない。だから甘さが出ると同時にアルコール度数も低い。色んな飲み方に対応する為に甘口の方が最近出来たぐらいさ」

という話でした。
要するにカビネット=通常収穫のワインという以外に縛りがないんですね。もうちょっと気軽に考えて良いのかも?

☆ようやく各々のワインの話

さて、こっから画像がボツボツと出てきますよー!

・フォルラーツ1573
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ドイツ法の殆どに組みせず作っているカジュアルラインのリースリング。
要するに登録料金とかそういうのを無視気味に作っているモノで詳細は地味に不明だったりします。
ラベルがカワイイ!この絵が1573年に描かれた絵だからこういう名前なんだそうで。
そしてコスパが抜群にイイワイン・・・・・・正直、辛口のラインは等級があがるとコレの濃さがあがるみたいな感覚でした。
色自体はかなり透明度が高く、アオリンゴを主体とした香りと味わい。
これについてはボトルまで買っちゃったので、コッソリと再検証しつつ別個記事にしたいと思ってます。流通用デイリーなのにとてもいいんですよコレ。
ヘップ氏は前日に餃子とコレを食べ合わせたんだそうな。オイオイ。

・QBAトロッケン
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上記1573からちょっとバージョンアップしたようなワインでライムっぽさが上がりコーンの印象などが付加されたような。
ようするに法律にちゃんとのっとった最下層ワインであり、ちょっとだけ値段があがる割に変化が少なかったように思います。どことなく色々な規則や検査の邪魔さを感じてしまったワイン。

・カビネット
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今回出た辛口はこれですべて。カビネットの規定までクリアしているリースリングになります。
色は上の2つに比べるとずっとついていて、黄緑さが増しています。
香りにアオリンゴやライムなどのタッチにオイリーさが強くなっていて、味わいもそれらのニュアンスがシンプルに出ています。
コクは大分あがっており、その分少し重たさを感じるオイリーさがありますね。
またミネラル感も同時に強くなっていてグッと大人びた印象に。
あんまりこの辺りまではスパイシーな要素はありません。
とはいえ・・・これもあくまでも1573の延長線上(もしくは1573がコレのバージョンダウン)という観方がいいかも。
値段分の実力派あるリースリングになっていて、バランス良く果実を主体にまとまっていますネ。

・スイートカビネット
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途中から年号下の文字以外変わらないからややこしい
こっちが甘口づくりだったハズ。
色からして黄色がずっとあがっていて、カビネットどうしで比べてみても明らかにスイート版の方が濃いカラー。味に関与しない程度に発泡がみられました。
香りも青りんごや洋なしがグッと強くなっています。蜜っぽさまでは感じさせないのですが、フルーティーな甘さとスッキリしたアフターでキレ良い甘口ワインという出来。
夏場にはほんといいなコレ!って唸ってしまうワインで、カビネットと同額ならばこちらのが美味しいかも。
また、上述しましたがこっちのが辛口カビネットより2%ぐらいアルコール度数が低い。
アルコールに弱い人も幾文か飲みやすいのではないかなー。ドイツっぽさが良く出ているワインですね。
カビネット2つをヘップ氏は天プラをつけあわせるなら、で答えていて
「辛口は天ぷらに塩をつけて。甘口は山椒のスパイスを足してみて欲しい」
とのこと。へー!

・シュペトレーゼ
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他国でいうレイトハーベスト(遅つみ葡萄)ですね。
しかしながらスイートと色味自体はあんがいかわらなかったように思います(発泡はなかった)。
また、これはこれで全体にスイートカビネットのバージョンアップという感じで、全体に鋭さと甘さ以外の部分の酸が向上。
甘さもグッと強くはなっています。
遅つみらしいオレンジの印象なども付加されていますね。

・アウスレーゼ
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塾した葡萄のみを使う、というわりとわかりづらいシュペトレーゼより上の区画。
実は正確に貴腐でなくていいどころかここまでは貴腐じゃないことが多かったり(今回は詳細聞けずじまい。無念)
色はしっかりとした黄色、香りに程よく蜜感がでておりそこに梨やライムなどの緑果実の感覚。
青りんごっぽさよりもずっと梨っぽさが出ていてシュペトレーゼまでの甘口とは別物。
ライチなどの白い小さな果実感も出ていました。
それでいながら、ライムっぽさやオイリーさで爽やかな印象を受けるのが特徴。
味わいも凝縮感がずっと強い!
緑果実の集合体的でそれにぬけのいいアフター。引けがいい意味で早く、綺麗な仕上がりになっています。
他国のデザートワインに比べると梨っぽさなどが強めに出ているのがリースリングを使っているアウスレーゼの特徴だと思うのですが、それが雑味なく体感出来るワインです。

・ベーレンアウスレーゼ03
4i6UD.jpg
で、これが今回の隠しスペシャルワイン。過熟および貴腐を使ったバージョン。
ちなみに、ここまで(1573は実は不明ですが)オルツライターゲ=特別単一畑のワインのみなんですけどこれだけ種類が作れるのは珍しいというかほぼここぐらいなんだとか。
数種類のロットや樽が保存でき、更に発酵のさせかたや収穫時期が異なり、しかも選果もハンドピッキングだし・・・・・・とやっていくと現実的にこれだけ種類を揃えるのは不可能だと言われていたんだそうで。

話をワインに戻すと、正直ベラボウに美味かった!!!!!!!!!(値段もずば抜けて高いけど)
アウスレーゼに一定以上ファンがいるのは良くわかりますネ。
色はガッツリと濃いゴールド。香りは蜂蜜が超コッテリと感じられ梨などのフルーツ要素がフレーバー的に蜜の中に封じ込められているような感覚。焦がしの感覚はほどほど。チョコ感などは香り段階で感じられず。
味わいはラフランスのデザート!熟した洋なしの甘さは実に見事という他ありません。
アフターに残る緑果実の品のいい〆方がとても綺麗な印象でこってりした口当たりのわりに飲み進めやすさがあります。
イケム様あたりはカラメルの要素などが良く混じって味わいの変化率が高いのですが、こちらは果実のパイの印象が徹底しています。
料理として完成されたラフランスタルト。メロメロです。
天然の糖質から出来上がる究極のデザート、というのが貴腐やらトカイやらトロッケンベーレンアウスレーゼやらの本懐だと思うのですが堪能させていただきました。


……さて。
実に画像も多く長くなりました。
ドイツリースリングの日本における栄光と衰退を体現し、歴史感と次世代制を持った単一畑ワイナリー。
シュロス・フォルラーツ、驚くべきドイツ感でした。ドイツの歴史資料館みたいな印象をもちましたネ。
いずれにしてもコスパは高く、なんというか値段だけ一昔前の価格帯のままのよーな雰囲気(それでも値上がっているんでしょうけど)
ドイツはあんまり~とお考えの方も、是非一度ボトル購入検討アレ。
古参ワイナリーが今、時代で取り残されていない理由が良くわかります。

辛口の基本がまぁコレ。

夏場に抜群に良いと思いました。軽い甘口!これこそ「日本人好みのドイツ」と言うに値する質。

アウスレーゼ以上は地味にネット購入が難しいみたい。そして長期熟成したモノはこの価格まで・・・

コレは私、イベントで珍しく買ってサインもらっちゃったワインなので後日別個記事を書きますが優れたケース買い級夏向けリースリング
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