オタクDEワイン!シンクのティスティングノート

☆アキバ系ワインブログ☆

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グレネリーから見る、ワインというもののミックスチャーの軌跡~その2。レディ・メイ、グランヴァン、グラスコレクションの二種類からカベルネとエルミタゼのブレンディングを見る~

うぇるかむ!
よーやくやります!っていうかボルドーの後にココを更新したかった!!
その1から一週間ぐらい経っちゃいましたがグレネリーでの更新であります

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これが本番なレディ・メイ、グランヴァン、グラスコレクションのシラーとカベルネ・・・・・・
並べて撮り忘れたOTL

ラベル・ストーリー(最大5pt)
♥♥♥~♥♥♥♥
当ブログでは、前のヴィンテージでぶったまげそれからヴィンテージ変更後も呑み、既にグラスコレクション版もお伝え済みではありますがフラッグシップのレディ・メイ版とまた並べての試飲はやってきませんでした。
ザーッとフルに並んでたのは珍し目(数個ポツポツ試飲する機会は少なくはなかった
今回並んでいた赤は

レディ・メイ:ワイナリのフラッグシップ。レディ・メイことメイ・エリアーヌ・ド・ランクザン女史の名前まで冠しちゃってる。ブレンド比率は概ねカベルネ・ソーヴィニョン85%、プティ・ヴェルド10%、メルロー5%といった具合でボルドーブレンドに近い仕上がり。
グランヴァン:スタンダードモデル。実はシラーの方が多い事もあってシラーズ42%、カベルネ・ソーヴィニョン40%、メルロー14%、プティ・ヴェルド4%とかだったりする。(当然細かくは毎回違うだろうけどネ)
グラスコレクション:廉価モデル。今回はカベルネとシラーで、それぞれ100%の比率。

と、実はひとつも「全く同じブレンディングの品がない」のでした。
さて、そうした細かい部分も考えつつ呑んでみたのですが・・・・・・

香り・味わい(最大10pt)
グラスコレクション二種類:♥♥♥♥♥♥(カベルネは+♥かな)
グランヴァン:♥♥♥♥♥♥♥♥(個人的には+♥)
レディ・メイ:♥♥♥♥♥♥♥♥(今呑むなら)
ここはブレンディングの長けたワイナリーなんだなぁ・・・
飲み比べて見てわかったのは「グレネリーはブレンディングが良く出来たワイナリ」であるという事です。
組み合わせてのバランスの取り方がとても良い。
それは、グラスコレクションでの物足りなさをグランヴァンが補っている事実、またはレディ・メイが明らかに熟成がなければ半値のグランヴァンよりも飲みづらい事などから伺えます。
ここのピックアップしてるカベルネ、相当気むずかしく優秀なんですヨ。ツンデレなカベルネなんですネ。

グラスコレクションカベルネ
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まずはカベルネから。
色はレッドが軽めに。案外紫してません。
香りに明る果実要素が多く、紫果実と赤果実のミックス。
獣感も割りと薄め。あるにはあるんですけどネ。
味わいも全体にライトさが多く、果実感が豊富。
赤と紫の果実、カシスとアセロラとチェリーのミックスジュース。
以前呑んだ時よりは落ち着きがある結果、よりストレートにサクッと呑めるワインになっています。
以前感じた物足りなさよりも「あ、ライトなカベなんだな」でOKに切り替わった気がします。



ミニマムに藍様。SD化してもそれなりに賢そうではある。

グラスコレクション・シラー
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微妙にカベルネと年数が違いますネ。何気に当ブログ初登場かも。
色はクリアなレッド。これも案外紫感がないです。
香りにこれも明るめの果実要素が漂います。
ただ、獣感はカベルネに比べるとずっと多く、果実がクリアな分スパイス要素と獣っぽさが目立つ作り。
味わいはカベルネに比べるととんがった仕上がり。シラーにしても酸が目立つワインです。
獣要素、スパイス、果実の紫と赤のミックス(ちょっとぼやけ気味)といった3点盛りなんですが、酸味が特段強く感じられます。
ちょっとバランスとしては崩れ気味?
私が言う獣っぽさの部分が「とっても好き」なら非常に楽しめるものの、そういう要素が苦手な場合は避けた方が良いという作り。
カベルネに比べてずいぶんと鋭角に切り込んできてるような印象。
これは大分好き嫌いが分かれそうな気がしますネ。



同じSDでも更にとんがった方向性を感じます。

グランヴァン09
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これに関しては以前の記事と印象があまりに変わりません。入荷からの日数変化もさほど感じなかった。
クリムゾンレッド、紫果実とカシスと獣感。
それでいて高級感がたっぷりしているから獣感が贅沢さに変容するのも変わらず・・・・・・うん、やっぱりスゴイワイン。
シラーが多い事による効果はグラスコレクションから探ることでわかり、シラーの早く呑める要素や酸味や獣感を、カベルネの軽やかな要素で整えてある。
よって、この年号で楽しめるワインになっっている。そういう細かい作り込みがやはり素晴らしいワインだと思います。
グレネリー未経験なら、やっぱりコレですネ。グラスコレクションよりずっと先に呑むべきワイン。
あと、メルロがかなーり獣感あるんだと思いますココ(レディメイで後述しますが)。



あいも変わらず高級感。

レディ・メイ
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ついにトップレンジを呑む時が・・・・・・
色はレッドが強く出ています。赤紫なんですが、朱い要素の方が大きいですネ。
香りに獣感が多くあり、ここに「シラーやプティも意外とグランヴァンの独自な獣感に加担してたんだな」ということがわかります。
なにせ、これはシラーが入ってませんから。または、カベルネの内容が増幅されている?
ともかく、私が言う獣感は多めです。カシスのジャミーな印象もあって、それは臭みにならず温和されています。
一品でステーキ系の香り。
味わいはかなりしっかりとしたスタイルであり、濃厚。
土臭さ、強いアタックでボルドーらしい口当たりのまろみなども含め極めて良く「ボルドーの擬似」がなされています。
カベルネらしい果実感、土っぽさ、バニラ感少々に抜けが良いアフターとミンティーさ。
アフターも長めなんですが、そうした細かい機微が大きいのでよくよく感じないと短く錯覚するタイプ。
シラーが入っていない事により、ボリューム感は少し薄めになっていてグラスコレクションカベルネの方がグランヴァンよりこっちに近いです。ちゃんと比率分だけ感じるのは正当な証拠かな。
ただ、その分ボルドー特有の年数経過が足りないと「硬い」印象を受けるアレまで忠実に再現されています。
全体の酸味の多さなどが果実感の表現力より優っていて、閉じた印象が見られちゃうんですネ。
従って、今すぐこの2011年を飲むなら、グランヴァン09の方が優秀です。断言してもいい。
ただ、その分隠れたポテンシャルみたいなのはひしひしと感じられるので、購入してから良い保存環境を持っている人ならば、メイ女史がどうして南アフリカに行ったのかが単に「余生を潤沢な資金で安い物価の場所で過ごすため」だけでない事がわかる事でしょう。
本気でフランスよりフランスのワインを作ろうとしている事がわかるワインです。


八雲タッグな感じ。っていうか正当さ、世界観の正しさの象徴。

コストパフォーマンス(最大5pt)
グラスコレクション:♥♥♥(好み次第で+♥)
グランヴァン:♥♥♥♥♥
レディ・メイ:♥♥♥(熟成環境があれば+♥♥)
やっぱりグランヴァンがすさまじい
コスパ、という野暮な項目で言えば、グランヴァンが際立って優秀です。
というのも、メイとグラスコレクション各位であれば「他のワイナリでもいいかな?」という部分が多少ある訳。
グランヴァンはその点、卓越した個性が今すぐに楽しめるのでコスパがとても良いのです。
レデイ・メイは今すぐ飲むのに向かない仕上がりを感じます。なので、とりあえず口に一本ぐらいはしつつ、何本か熟成させる事が可能な人が「ボルドーから南アフリカに移り住んじゃってまでワインを作る理由」を探っていただければと思いますネ。
マスダさんもレデイ・メイ2011は売り切りしちゃわないで、倉庫に10年ぐらいとっておいたら神インポーターになれると思う。
全体にプレゼントには向かない気がします。ケモい特徴があるので、そこに拒絶反応出ちゃう人にはひたすらツラいワインなのです。
自分も呑める状況、つまり日常だったりワイン会だったりでその独自の高級感を魅せつけてくれることでしょう。

というわけで、グレネリーより各種飲み比べて見ました。
ここを通してわかったのは「シラーは確かに獣っぽい要素を含む」「しかし、メルロやプティが上位版のニュアンスにおいてかなり影響しているのではないか?」
といった品種個性による仕上がりと
「グレネリーはブレンディングが極めて上手」という事実。
グラスコレクションとグランヴァン以上を比べると100%同じブドウである事よりも、ブレンディングさせる事による引き立て方が大事である事が良くわかったのでした。
間違いなくグレネリーは卓越した作り手であり、毎年のバランスを上手にとってくれそうだと思うのでした。

以前に比べて取り扱いショップが格段に増えました。初めて見た当時は売ってるお店そんなになかったと思うのになぁ。








藍しゃまって私が個人的に好きなゲームキャラランクなら最上位なのだゾ。

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| 南アフリカ | 22:15 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

レディ・メイ、とても良いワインなのでしょうね。気になっているので、機会があれば試したいなと思います。

ちなみに、シンクさんはグレネリーを語る際、ピション・ラランド、ボルドーをよく引き合いに出されていると思いますが、なぜ南アフリカでワイン生産に力を入れているのかについて、補足的に少々書かせていただきます。揚げ足を取りたいとかそういったお話ではなく、事実をきちんと知っていただければ、また見方も違ってくるかと思いますので。

まずは、Mayさんが2006年にピション・ロングヴィル・ラランドを売却した理由ですが、これは、相続税の高さと、後継者の問題にあるようです。まずは相続税についてですが、98年のコス・デストゥルネル、06年のモンローズ、ピション・ロングヴィルの買収などは相続税問題に当てはまります。

そして後継者問題ですが、2011年2月のWine Enthusiastで、「Brave old World」という記事(http://glenellyestate.com/xnews/images/WE_May-Eliane_de_Lencquesaing_Feb_2011.pdf)に対談形式で書かれています。
Although a heartbreaking decision, her children weren't interested in taking over from her.
悲痛なる決断ではあるが、彼女の子どもたちは彼女から引き継ぐことについて興味がなかった、という意味です。

だからボルドーは捨て、南アフリカで打倒ボルドー的なワインをつくるために移り住んだのでは? と思いそうですが、実はこの「南アフリカでワイン造りを始めた理由」についても、Mayさんの語った記事があります。

今度はDecanterの2004年1月14日の「Pichon-Lalande invests in South Africa」という記事(http://www.decanter.com/wine-news/pichon-lalande-invests-in-south-africa-103198/)です。

‘I believe it’s good to invest in and encourage developing countries. I believe in the South Africans,
私は、発展途上国に投資し、彼らを勇気づけることは良いことだと信じているのです。私は、南アフリカの人々を信頼しています。

さらに、

It is unlikely that the wine produced will resemble her Pichon-Lalande and Madame de Lencquesaing was keen to point out that she was not aiming to emulate a Bordeaux wine.
南アフリカで生産するワインが、彼女のピション・ラランドに似ていくことはありそうになく、Lencquesaing夫人は、彼女がボルドーワインと競い合うことを狙っていないことを、指摘することにも意欲的ではありません。


‘It is not Bordeaux. It will be a high quality South African wine. Geographically it is more like Burgundy and the climate is Tuscan,’ she said.
「それはボルドーワインではありません。高品質な南アフリカのワインです。地理的にはブルゴーニュの様で、気候的にはトスカーナのようです」と彼女は語りました。

同記事内で、「南アフリカはメドック同様、オールドワールドに属す」という言葉も。ボルドーに嫌気がさして新しい産地へ、というマイナスな方向ではなく、「a historical parallel=同時進行した別々の歴史」的な産地として興味をもっていることが窺えます。

ちなみに、ボルドー品種を植えた理由は「南アフリカワインは、素晴らしい熟成ワインの垂直テイスティングを提供できるようになるまで、尊敬・注目してもらうことが難しいので、バランスとエレガントという二つのキーワードと、個性を持つことを求めて」とのこと。これはまさしくシンクさんのご指摘があったように、南アフリカワインの可能性について、「熟成」という将来のことを見据えた発言です。

さらにその後、「でもシラーやシャルドネ植えてますやん」という質問には、「この気候ならシラーが合いそうだし、私はブルゴーニュが好きだから」という回答も。(これも「Brave old World」内の対談です)

ピション・ラランドの売却当時の記事は、2006年10月26日の読売新聞の記事にあった模様。http://www.ccjapon.com/news.php?id=1207102333

98年12月のWANDSの記事(http://www.wine.or.jp/wands/1998/11/oversea.html)で、デストゥルネルの買収について書かれていますが、こちらが買収後も息子が引き継ぐ=相続の問題を解決出来るという流れだったのとは異なります。したがって、Mayさんの場合は、「南アフリカの方がボルドーよりも魅力的だから」というよりは、「相続問題を解決したが後継者がいないので、完全にシャトーから撤退する道を選んだ」、といえると思います。この記事で、当時のオーナー ブリューノ プラッツさんが、「今回のシャトーの売却によって私の兄は相続の問題を解決出来るし、私はシャトーの経営から解放されて自由を得ることが出来ます。これから私はチリの葡萄園経営など、他の計画に取り組むことが出来るようになります。」と答えていることは、Mayさんのケースにもあてはまりそうではありますが。

彼女のいたころの、2003年のピション・ラランドを飲みましたが、グレネリーの方向性は「打倒ボルドー」ではなく、「ラランドで彼女が実施した、『バランス・エレガンス・個性』というコンセプトを、南アフリカという産地でも同様に取り組んでいる」というものに感じました。

シンクさんの記事では、「ボルドーハンター」だったり「フランスよりフランスのワインをつくろうとしている」だったりと、「対フランス」的なご意見だったので、一応Mayさんご本人の考えなども、改めてご紹介いたしました。意見を曲げろ、というわけではなく、また違った視点を知ることで、より深く探ることが出来ると思い、おせっかいを焼きました。

冒頭で申し上げた通り、グレネリーのフラッグシップは未経験ですので、自分でも飲んでみて、その方向性についてしっかり考えたいと思います。

以上、長々とお目汚し失礼いたしました。

| Domaine K | 2016/06/29 23:28 | URL | ≫ EDIT















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